一口に「応用言語学(Applied Linguistics)」といっても、一般的にそこに含まれる研究内容は多岐にわたり、またその研究対象やスコープも、言語学プロパーの定義、つまり言語についての基礎研究をどう定めるかによって変わってきます。したがって、応用言語学領域と聞いただけでは、そこで具体的にどんな研究や教育が行われているか、人によってかなり異なったイメージを思い浮かべるのではないかと思います。
私たちの応用言語学領域では、言語知識と言語運用に関する基礎研究を大切にしながら、それを基盤としてその上に複合領域的な応用研究を積み重ねていくことを全体の基本方針としています。
カバーする領域は、一方では、音韻、形態、統語、意味、談話といった日本語に関する記述的あるいは理論的研究、また他方では、他言語との比較・対照研究、コーパス言語学、言語教育学、言語習得、社会言語学などの複合領域的ないわゆる応用言語学研究を含んでおり、学生は基礎、応用の両面にわたってかなり広い範囲のテーマを研究することができるようになっています。
院生の研究テーマとしては、広い意味での現代日本語文法研究が最も盛んですが、記述的な文法研究とともに、生成文法といった理論的な立場からの研究、談話分析に基づく研究、さらには留学生を中心に対照研究なども数多く行われています。また、日本語教育・第二言語習得関係の研究、コーパスを利用した文法、談話分析、文字研究、音韻研究などヴァラエティーに富んだ研究が進められています。
そうした院生の研究成果発表の場として、私たちの領域では、教員・院生が共同編集する『筑波応用言語学研究』、さらには一般言語学領域と協力して『言語学論叢』を毎年発行しています。
私たちの領域では、これまで90本以上の博士論文が提出されてきました。また国内外の研究・教育機関で言語学・日本語学・日本語教育の研究・教育に携わって活躍している出身者もかなりの数に上り、そのネットワークは私たちの領域の貴重な財産となっています。
応用言語学領域に関するお問い合わせは澤田(sawada.hiroko.gb*u.tsukuba.ac.jp)まで(*をアットマークに変更してください)。
石田尊 | 日本語学(文法論) |
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澤田浩子 | 日本語学、日中対照研究 |