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アメリカ文学領域

領域紹介

アメリカ文学領域の最大の特徴は、その学会組織である「筑波大学アメリカ文学会」の独自の方法論と研究活動にあるといっても過言ではないでしょう。その方法論は学界でも「筑波学派」(© 大井浩二)として公認されていますし、テーマを決めての研究活動も既に15年以上の実績を持っています。

「筑波学派」の方法論とは、文学をほかの分野(たとえば科学・哲学・宗教・芸術)と同様に〈知識〉の一形態としてとらえ、その〈知識〉を可能にした〈枠組み〉のなかで、個別テクストを論じるところにあります。ですから、一般的に不問に付されている学問分野の独自性(たとえば〈文学〉対〈科学〉)に疑義を唱えることにもなりますし、〈知識〉全体を対象とする〈枠組み〉のなかでの流動性とダイナミズムを重要視することにもなります。

たとえば、中世の医者(内科医)にとって占星術が必修科目であったのは、宇宙というマクロコスモスと人体というミクロコスモスは連動していると考えられていたからであり、誕生時の宇宙の運行によって人の一生を司る運勢を知ることができると考えられていたからです。ここでの〈知識〉は、黄道付近の恒星を星座として認識するにとどまらず、その星座に対応する臓器や疾病までも包含しているのです。

また、近年では、コンピュータやインターネットが、新しい〈知識〉の形成に一役かっています。これは、何も情報が容易に瞬時に取り出せるようになったことのみをさしているのではありません。それはまた、従来の書籍(巻物も含む)に見られる〈厚さ〉や〈量〉という3次元の認識を、コンピュータ・スクリーンという2次元に還元する認識・知覚の変化をも含んでいます。これは、中世後期に起きた「数量化革命」によって形成された、世界を数量によって切り取り一目でわかる視覚的情報提示をする〈知識の枠組み〉から、点から点へとリンクしていく〈知識〉への枠組み変換をも示しています。

〈知識〉の変化と世界観・宇宙観の変化が無関係でないならば、文学や文化の生産や受容もそれらの変化と無縁ではありえません。天体の運行は、たとえばナサニエル・ホーソン『緋文字』の「夜空に浮き出たAの文字」にどんな意味を与えているのでしょうか。また、コンピュータ・スクリーンは、3次元の空間を切り取ることを前提としていた映画のスクリーンと、どう違う〈枠組み〉を提供するのでしょうか。

このように、〈知識の枠組み〉という概念を導入することによって〈文学〉の個別テクストを分析する試みは、すでに『アメリカ文学とテクノロジー』(2002年)、『イン・コンテクスト』(2003年)、『知の版図』(2007年)として出版されました。また、本学会の機関誌『アメリカ文学評論』では、英語では一語で表されるものの、多種多様な意味概念をあわせもつ単語を選び、多角的に論じる特集を組んできました。 〈ネイチャー〉(2000年)、〈ヒストリー〉(2002年)、〈インストゥルメント〉(2004年)、〈マップ〉(2007年)、〈ネットワーク〉(2009年)、〈デザイン〉(2011年)、〈ライフ〉(2013年)が既刊で、今は〈ロー(law)〉を他専攻・他大学のメンバーも含めてプロジェクト化しています。また、この方法論が持つ学際性から、科学史や知識史をはじめとして、言語哲学、身体論、気象学や生物系統学とのインターフェイスやクロスオーヴァーも積極的にしています。

研究者をめざすひとだけでなく、次世代の研究をふまえたエディター、アドミニストレーターをめざすひとにも、最適な領域です。

ドキドキするほど刺激的な筑波大学大学院〈アメリカ文学〉へ、あなたも参加してみませんか。

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