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平成11年度筑波大学学内プロジェクトの研究助成に基づいた企画「多文化社会日本における〈翻訳〉の位置」(研究代表者:荒木正純 本学文芸・言語学系教授)の成果報告書を刊行いたしました。詳しくは次項をご覧ください。
筑波大学文化批評研究会編集の第2論文集を刊行いたしました。タイトル、目次は以下の通りです。
筑波大学文化批評研究会編集・発行
『多文化社会における〈翻訳〉』(2000年6月刊)
──目次──
名波弘彰「はじめに」
荒木正純「翻訳、このグロテスクなるもの──序にかえて──」
I 〈文化の翻訳〉と植民地主義
鷲谷 花「『阿片戦争』と映画戦──「大東亜共栄圏」のハリウッド──」
張 栄順「谷崎潤一郎「象」における「南洋」表象」
中根隆行「朝鮮を〈写/移〉すということ──高浜虚子『朝鮮』を視座として──」
清水知子「「中国的なるもの」をめぐるめまいの形象──ディアスポラ、エキゾティシズム、あるいは時間性への問い──」
呉 佩珍「表象されるインドシナ女性──一九九〇年代初期フランス映画にみるネオ・コロニアリズム──」
II 自国文化観と〈翻訳〉多文化
波潟 剛「伊藤整の大陸開拓──『満州の朝』とD・H・ロレンス──」
趙 美京「現代文学の課題としての多民族社会──大江健三郎の「幸福な若いギリアク人」論──」
南 富鎮「「内鮮結婚」の文学」
III 翻訳行為と日本文学の変容
鄭 炳浩「小説の翻訳と理論の構築──坪内逍遥の『開巻悲憤慨世士伝』小考──」
日比嘉高「〈翻訳〉とテクスト生成──舟木重雄「ゴオホの死」をめぐって──」
李 顯周「翻訳における形式と文体の影響──太宰治の「女性徒」と昭和初期の『ユリシ−ズ』の翻訳──」
阿部軍治「相馬御風とトルストイ」
外山健二「あとがき」
執筆者紹介
■ 購入のお申し込みは、申まで。送料込みで2,500円です。詳細はメールを下さい。
平成11年度の筑波大学学内プロジェクトにより助成を受け、シンポジウム「横断する文化、越境する人」を開催いたしました。日程・発表内容などについては以下のとおりでした。
1.日 時 平成12年2月19日(土) 午後1時30分から
2.場 所 筑波大学人文社会学系棟 A501
3.テーマ 「横断する文化、越境する人」
4.プログラム
1:40〜2:10
丁貴連(宇都宮大学助教授)
「日韓文化交流史の系譜──芳洲、宗悦、鑑三の朝鮮──」
2:10〜2:35
中根隆行(文芸言語研究科5年)
「旅するコロニアル・ディスコース──高浜虚子『朝鮮』試論──」
2:35〜3:00
波潟剛(文芸言語研究科5年)
「伊藤整の大陸開拓──『満洲の朝』とD・H・ロレンス──」
3:00〜3:20 休憩
3:20〜 ディスカッション
司会…宮本陽一郎(筑波大学文芸言語学系助教授)
研究会編集の論文集を刊行いたしました。東アジア地域を主たる対象として、植民地主義的な思考・まなざしと、文学や写真などの表象との相関を論じたものです。タイトル、目次は以下の通り。
筑波大学文化批評研究会編集・発行
『植民地主義とアジアの表象』(1999年3月刊)
──目次──
活動報告
名波弘彰「序言」
荒木正純「〈異文化〉との出会い
──〈表象〉としての〈文化〉──」
*
宮本陽一郎「シンポジウム総括」
斉藤 愛「翻訳のクロノトポス──明治期における翻訳行為と暴力──」
斎藤 一「日本の『闇の奥』」
*
日比嘉高「創刊期『太陽』の挿画写真──風景写真とまなざしの政治学──」
鄭 炳浩「二葉亭四迷のナショナリズムのありよう──露国赴任前後の〈国際問題〉へのまなざし──」
張 栄順「谷崎潤一郎の『鮫人』小論──『鮫人』における浅草表象と脚色される支那趣味──」
李 征「近代における都市と精神病──池谷信三郎「橋」とその周辺──」
中根隆行「文学における植民地主義──一九三〇年代前半の雑誌メディアと朝鮮人作家張赫宙の誕生──」
波潟 剛「砂としての大衆、砂漠としての植民地──花田清輝の「満洲」──」
南 富鎮「田中英光の朝鮮と牧洋という鏡」
信岡朝子「支配と被支配の力学──東京ディズニーランドというポストコロニアル的風景──」
*
阿部軍治「トルストイと有島武郎」
あとがき
筆者紹介
■ 購入のお申し込みは、申まで。送料込みで2,500円です。詳細はメールを下さい。
■ 筑波大学電子図書館で全文の画像が閲覧できます。蔵書検索から『植民地主義とアジアの表象』を検索し、リンクをたどってください。書名あるいは所蔵情報の脇に現れたオレンジのアイコンをクリックすると閲覧画面へ出ます。
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寄稿者である斎藤一さんにリンクの許可をいただきました。これにより、収録されております「日本の『闇の奥』」もwebで読めるようになりました。次項目次をご覧ください。
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筑波大学電子図書館の蔵書データベース化の進行により、『植民地主義とアジアの表象』の全文が画像でごらんいただけます(HTMLやpdfじゃないのは残念)。蔵書検索から『植民地主義とアジアの表象』を検索し、リンクをたどってください。書名あるいは所蔵情報の脇に現れたオレンジのアイコンをクリックすると閲覧画面へ出ます。
筑波大学文化批評研究会は、筑波大学文芸・言語研究科文学専攻研究室の教官と院生ほかの有志で構成される研究会です。平成8年度の文部省科学研究費補助金の助成研究プロジェクトの発足にともなって結成されました。以来平成12年現在まで活動を続けておりますが、機関誌発行や学会としての恒久的な活動をめざすものではなく、プロジェクト単位で任意に有志が参集する、身軽な集団です。現在は平成11年度筑波大学学内プロジェクトの研究助成に基づいた「多文化社会日本における〈翻訳〉の位置」(研究代表者:荒木正純 本学文芸・言語学系教授)という企画を進めています。 (日比記)